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【ホームを決めろ】根拠のある忘れ物・なくしもの対策【自己管理の第一歩/環境づくり】

忘れ物・なくしものを減らしたい

忘れ物、なくしもの。少なくとも私は困っている。いや、困っていた。時間のないときになくしものがあると焦って精神的にすり減るし、探すのにも時間がかかる。忘れ物をすると取りに行くのも手間だし、こっちも時間がかかる。何とかしたい。

物理的に困る

忘れ物・なくしものは物理的に困る。あるべきものがないのだから。探すか、取りに帰るか、買い足すかするしかない。仕事に必要なものなら致命的だ。やろうとしていたことはできないし、無駄な出費がかかる。もし家の中で鍵をなくしたら、家から出られないか、施錠しないノーガード戦法を取るしかなくなる。

時間がもったいない

そして、忘れ物を取りに帰るのにも、なくしものを探すのにも時間がかかる。忘れ物を取りに帰ることや探し物は究極の時間の無駄だ。最悪、出先で忘れ物やなくしものをした場合、行き先各所や警察への問い合わせ、警察署に回収に行く…といった手間がかかる。貴重品ならなおさらだ。

精神的にもすり減る

そして何より、探し物は精神的にすり減るんだ。時間のない朝、財布が見当たらない、鍵が見つからない、慌てふためいて探した結果時間ギリギリに家を出る、もしくは間に合わない……そんな経験、ないだろうか。少なくとも私は5万回以上ある。
探しているときは、昨日の自分への後悔や苛立ち、時間に追われるストレスなどなど、とにかく心理的ストレスがかかる。そしてこれは本来感じる必要のない無駄なストレスだ。2,3日もすれば同じ過ちを繰り返し、またストレスを感じ、精神がすり減っていく。

ホームを決める

忘れ物、なくしものを減らすために重要なのは、「ホーム」、つまり定位置を決めることなんだ。片付けが美味い人は定位置を決めているらしいが、それがなかなかできない人もいる。明示的なガワ、入れ物がないと無理なのだ。今回は、ガワの設定から使い方までを順を追って説明する。

箱を買う

まずは、100均でいいので何かしら箱を買ってくる。大きさ、形、色は何でもいい。迷ったら、最低限財布、鍵、スマホが入るサイズだとよい。色は中身が見える透明が個人的にはおススメ。蓋の有無は気にしなくていいが、ない方が使い勝手がいい。
ホームはカバンやリュックの特定のポケットでもいいらしいが、個人的にはお勧めできない。普段使いのカバンのあるポケットに財布、鍵を入れておくとして、違うカバンを使うとき入れ替えの手間が生じるし、絶対に元のカバンに戻し忘れると断言できる。カバンから出し忘れない人は、多分そもそもモノをなくさない。しかし、移動中の忘れ物・なくしものを減らす手段としては有効。

場所を決める

次に、その箱を置く場所を決める。例えばデスクの上、玄関の棚の上、起きてすぐ目に入る場所など、自分が毎日触れる場所やその近くに設定する。そして、この箱は決して動かしてはならない。私の場合はL字デスクの短辺、ベッドと接している部分に設定している。起きたらすぐに目に入る位置だ。

その箱に入れる

場所を設定したら、この箱に場所を決めたいものを入れる。私の場合は財布と鍵(キーケース)だ。スマホは枕元で充電しているので仕方がない。
そして、できるだけ最初に決めたもの以外入れないようにする。「この箱は財布と鍵専用ですよ」という意識を植え付けるんだ。いろいろ突っ込んでしまうと、結局何が何だか分からなくなってしまう。きれいなままに保つのだ。

これを毎日使う

私が作成して使っている「ホーム」

以上で「ホーム」の完成だ。これがものの定位置になる。そして何よりも重要なのは、これを毎日継続して使うことなんだ。「ホーム」を見れば、確実に財布や鍵がある。使ったら確実に「ホーム」に戻す。この習慣ができてくると、「ホーム」にあるものは無くさなくなるし、「ホーム」を確認する習慣が生まれる。実は、大事なのは「ホーム」を確認する習慣をつけることなんだ。

半年間実践した結果

私はこの方法を知ってから、約半年間「ホーム」の活用を続けてきた。その結果どうなったのかを説明していく。元の状態と比較すると、かなり大きな変化があるんじゃないかと思う。

財布・鍵・スマホはなくさなくなった

少なくともここ半年間、財布・鍵・スマホは無くさなくなった。毎日のようにものをなくしていた私にとってこれは今までにないことで、大きな進歩である。だいぶストレスも減ったと思う。

ホームだけはすべてのものが見えるようにする習慣

私は部屋の掃除が苦手で基本雑然とした空間の中で生活している。しかし、ホームとその周辺だけはきれいな状態を保っている。ホームを机の一角に設定することで机に向かうたびに否応なしにホームが目に入るし、貴重品が埋もれそうになっていると「イカンイカン」とその周りを掃除する習慣ができた。ホームだけは一目ですべてが見通せる状態を維持する習慣ができたと言えそうだ。

部屋全体がちょっとだけ片付く

そしてなぜだかわからないが、部屋全体が少しずつ片付きつつある。ホームの影響が少しづつ波及して、部屋全体のものの場所が決まりつつあるのかもしれない。何となく、「一目でわかる方がいいよね」という感覚が育ってきたともいえる。
そして、「必需品以外は大体いらないもの」という感情も芽生えてきた。つまりは断捨離が捗るようになった。今までは多少なりともものを捨てることに抵抗があったが、それも薄くなってきていると思う。これはあくまで私の体感なので、話半分に聴いてほしい。

「代償的認知トレーニング」

ホームを決めるのは代償的認知トレーニングの1パート

筆者はあまり詳しくないが、説明してみる。誤りがあったら指摘してほしい。
代償的認知トレーニングとは、「認知機能障害や欠損を持つ人が、代替的な戦略を開発したり、支援ツールを利用したりすることによって、その困難を補うことができるようにデザインされた介入の一種」、らしい。様々な病気により認知機能が損なわれている可能性のある人に対して、例えば外部ツールやほかの認知機能を鍛えることによって欠損を補おう、というトレーニングだが、安心してほしい。一般の人にも多分効果がある。目的は「個人の自立と生活の質を最大限に高めること」だ。
代償的認知訓練には通常、記憶、注意、問題解決、実行機能などの認知能力を強化することを目的としたさまざまな技法が含まれる。そして今回のホームを決める作業は「環境の改善」という意味合いが強い。環境を調整してパフォーマンスを上げようとする試みだ。これには、タスクの単純化、合図やプロンプトの提供、構造化されたルーチンの作成などが含まれる。

環境づくりは「展望記憶」の改善に役立つ第一歩

展望記憶とは「思い出すべきことを覚えておくこと」である。代表的な例は予定やスケジュールだ。展望記憶を鍛える・改善するために有効的な方法として「カレンダーやTodoリストを見る」という極めて古典的なものがあるが、そもそもそれが苦手な人もいる。私もそうだ。
じゃあ苦手な原因は何なんだろうか。それは、「そもそも予定表を見る・書く習慣がない」ことが第一歩としてある。そして、最低限予定表を毎日使うための方法が、「予定表を決まった場所に置き、定期的に確認すること、それを習慣化させること」なんだ。つまり、ホームに予定表を置いてしまうことによって、それを半ば無意識的に意識して、定期的に確認するようになるというわけ。
私もまだまだ苦手ではあるが、確実に予定の失念やダブルブッキングは減った。私はGoogleカレンダーと紙の手帳を併用しているが、アプリの手帳単体でも効果はある。予定管理が苦手な方はぜひ活用してほしい。

結論:やってみてよかった

「ホーム」を決めることの実践で、忘れ物やなくしものが大幅に減る、部屋全体がちょっと片付くといった効果が得られた。さらに、スケジュール管理にも「ホーム」決めをはじめとする環境づくりが生かされている。入れ物を用意するだけでコストもかかるものではないし、やってよかったと思う。ストレスも大幅に減った。

今後も続ける予定

今後も俺はホームをきれいに保ち続けるし、部屋の片付けも進めるし、スケジュール帳も見る予定。整っている状態は気分がいいものだと気づくきっかけがホームを作ることだったし、おそらくホームが崩壊すると以前の状態に逆戻りする。この状態をキープし続けられるかがこれからの課題だ。

参考文献(リンク)

https://cogsmart.s3.amazonaws.com/CCT_TherapistManual_20200420Japanese.pdf

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